2012年8月18日土曜日

有限会社の登記7

有限会社から株式会社への移行登記の際,記載できない登記事項


本店移転の登記事項(同一登記所の管轄区域内における移転も含む)は,

移行による設立登記の申請書に記載することはできません。

よって,連件として登記申請します。


*他管轄への本店移転の場合は,通常は,本店移転登記を先行させます。


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有限会社の登記6

有限会社から株式会社へ移行する際,在任している代表取締役について


①移行時に在任している代表取締役について,

任期満了などにより取締役の地位を喪失している場合は,

当然に代表取締役の地位も退任します。


*なお,有限会社時代の代表取締役で,株式会社の移行後も取締役としての残存任期があり,移行の前後を通じて代表取締役の選定方法に変更がない場合は,当該代表取締役は,なお代表取締役としての地位有しているものと解されます。


②移行時における代表取締役の選定方法ですが,

有限会社においては,取締役会制度が認められていないので,

移行登記の申請前に取締役会で代表取締役を選定することはできません。

よって,下記の方法で代表取締役を選定することになります。


A:定款の附則に定める方法(取締役会設置会社は,この方法によります)。

B:定款の定めに基づく取締役の互選により選定する方法。

C:株主総会の決議により選定する方法。


上記ABCの方法で,代表取締役を選定しない場合は,取締役全員が代表取締役になります。

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2012年8月17日金曜日

有限会社の登記5

有限会社が株式会社へ移行する際の,取締役の任期について


①移行の登記の申請時において,取締役の任期が満了している場合,

②取締役が移行の登記申請に合わせて辞任する場合,

移行の登記の申請時に就任する取締役を選任しなければなりません。


選任された取締役の任期の起算点ですが,

通常の会社設立と異なり,選任の時と解されています。


*なお,移行時に就任する取締役を選任していなくても,権利義務取締役を取締役として登記をすることはできますが,選任懈怠として過料の対象になります。

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有限会社の登記4

有限会社が株式会社へ移行する際,在任している取締役の任期


有限会社の取締役には任期がありませんが,

株式会社への移行の登記を申請した時点から会社法332条が適用されます。

そのため,移行の登記申請時に在任している有限会社の取締役について,

①すでに,選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会が終結している場合は,

(ただし,株式会社の定款で取締役の任期を10年に延長していた場合など,会社法332条1項ただし書,2項ないし4項に該当するときは,当該規定に従って任期を計算します。)


  当該取締役は,移行の登記申請時に任期満了により退任することになります。



②①に該当せず,移行登記の申請時に任期が残っている取締役は,辞任しない限り,残りの任期まで在任することになります。




*なお,移行時に任期満了又は辞任した取締役の退任の登記は,申請する必要ありません。

ただし,辞任の場合は,設立登記の申請書に退任を証する書面として,辞任届を添付します。

 

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有限会社の登記3

有限会社の数(清算中の有限会社は除き,休業中の有限会社は含む)は,

平成23年9月30日現在,約172万7000社です。

(全会社の数は約342万9000社)。



(1)有限会社が株式会社へ移行する手順

①定款を変更し,その商号中に株式会社という文字を用いる商号の変更をします。

②当該有限会社については,解散の登記を申請し,商号の変更後の株式会社については,設立登記を申請します。

*現在は有限会社の設立登記は禁止されていますので,いったん株式会社へ移行すると有限会社に戻ることはできません。


(2)株式会社への移行とその他の変更

①株式会社へ移行する際,商号を有限会社△△から株式会社〇〇に変更することもできます。登録免許税は加算されません。

目的を変更することもできます。登録免許税は加算されません。


②有限会社の発行可能株式総数と発行済株式の総数は同一数ですので,株式会社へ移行する際は,将来の募集株式の発行に備えて,発行可能株式総数を増加させておくべきです。


*なお,商号変更による株式会社への移行について,移行期限はありません。


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有限会社の登記2

特例有限会社のまま存続することのメリット・デメリット


<メリット>

①取締役の任期がないので,取締役の変更登記の登録免許税及び司法書士報酬を節約できること。

②決算公告義務がないので,公告料を節約できること。

③12年を超えて休眠していても,解散したものとみなされないこと。


<デメリット>

①特別決議の要件が,原則として「総株主の半数以上であって,当該株主の議決権の4分の3以上」となっており,株式会社に比べて特別決議の要件が厳しいこと。

とくに,共同相続によって株式(株主権)が分散する場合には,致命傷になる可能性が高いです。

②取締役1名の有限会社の場合,代表取締役として登記されないので,代表取締役という名称を用いることができないこと。


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有限会社の登記

取締役1名の有限会社において,取締役が死亡し,取締役が全員不在になった場合。

有限会社の本店所在地の地方裁判所に対し,仮取締役の選任の申立てをします。

選任された仮取締役が,臨時株主総会を招集し,臨時株主総会で後任の取締役を選任します。

*なお,株主全員の同意があるときは,株主総会の招集手続を省略できますので,

株主全員の同意があれば,地方裁判所の仮取締役の選任の申立てを省略することができます。


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